エンジニア
「芸術系大学でデザインを専攻していたが、一転Web系専門学校に入り直してエンジニアの道に」そんな経歴を持つ、大岡 靖昌がエンジニアを志したのは、大学での講義がきっかけでした。数回の転職を経て2021年現在は、サイバードで横断チームのマスタデータ管理ツールのサーバサイドエンジニアとして活躍する大岡のキャリアの歩み、そして大岡から見た働く環境の魅力を紹介します。
独自管理ツールを駆使して大人気ゲームシリーズを支援する
2021年11月現在、技術部門の「横断チーム」と呼ばれるチームに所属する大岡。現場エンジニアとして、またチームマネジメントも担う立場で、「イケメンシリーズ」の数々のタイトルを横断的にみています。
大岡 「横断チームのメインの仕事は、イケメンシリーズ全体を横断して、サーバサイド寄りの課題を巻き取り、効率化を図ることです。他にも、各タイトルのマスタデータを『Planter』という社内ツールで管理したり、このPlanterに業務効率化に繋がるような機能を追加したりしています
また、横断チームの仕事はサービスの裏側を守ることだけでなく、お客様のユーザビリティに直結するところにまで至ります」
大岡「各タイトルのデータベースで、パフォーマンスが劣化したり動きが遅くなったりすることがあります。そうすると、お客様が快適にプレイできなくなってしまうんですね。そこで、各タイトルのサーバサイド担当者を集めて、ただ単にサーバのスペックを上げるという解決法だけでなく、そういったスロークエリをどう改善していくか検討するミーティングを毎月実施しています」
サイバードの開発では、社内ツール・Planterを活用していますが、このツールを使うメリットについて、大岡はこう語ります。
大岡 「本来、データベースの中身を見るときは、クエリを発行したり専用ツールを使ったりする必要があります。しかし、Planterを使うことで、詳しいエンジニアスキルがなくともデータベースデータを管理できるようわかりやすい作りになっています。エンジニア以外にも、プランナーやスクリプタでも、簡単にデータを投入したり確認したりすることができるんです」
マスタデータとは、企業が社内向けや業務向けなどで構築するデータベースで共通となる、基本的な情報のこと。大岡はサーバサイドでの支援を行っており、業務にあたってマスタデータが非常に重要だといいます。
大岡 「マスタデータは、障害に直結する大切なデータです。Platerからデータを投入する前に整合性をしっかりチェックすることで、デバッグ工数も減りますし、デバッガーのデバッグ漏れも未然に防ぐことができます。マスタデータ以外では、タイトルのリソースファイルのパッキングやデプロイするジョブも管理しています」
現在Planterに携わるエンジニアは掛け持ちのメンバーを含めて4名。大岡は、Planterの開発時から参画しているひとりでもあります。
大岡 「Planterは、技術部門の新規プロジェクトとしてスタートしました。プロジェクトへのアサイン当初、コーディングルールがしっかりしておらず、バグも多いツールでした。そこで、コーディングルールを決めて、コードをリファクタリングし直しました。リファクタリングしたことでコードの品質が上がり、可読性や保守性が上がったので良かったです」
将来性を確信した転機、そして人間関係を大切する職場だと肌で感じた瞬間
エンジニアとして広い視野をもって業務に取り組んでいる大岡ですが、エンジニアを志すようになったのは大学入学後。高校卒業後は芸術系大学に入学し、デザインを専攻していましたが、一転、エンジニアへの道を歩むべく、専門学校に入り直すという選択をしました。
大学での講義がきっかけでした。
大岡 「大学の講義で、簡単なものではありましたがWebページを制作したとき、Webにとても可能性を感じましたし、面白かったんです。『今後この分野は伸びる』と確信して大学を辞めて専門学校に入り直し、プログラムを本格的に勉強しはじめました」
専門学校卒業後は、エンジニアとしてのキャリアを歩み始めることとなります。大岡は2017年にサイバードに入社するまでに、複数の会社でエンジニアとしてキャリアを重ねました。
大岡 「新卒で入社した1社目はSIerでした。学生時代の経験を活かしてWebサービス開発を中心に行いました。SIerは、お客様のニーズに応じてシステムの設計・開発・運用を行いますので、お客様と直接お話する機会が多かったですね」
その後エンジニアとしてのスキルを高めたいという想いから、CMSやサイネージの自社プロダクトを持つ会社に転職。順調にエンジニアとしてのキャリアを積んでいきます。
そこで、ある問題に直面します。その時の経験が、サイバードがVALUEに掲げる「挑戦」の面白さを実感することに繋がりました。
大岡 「DB負荷が高いという課題があり、調べてみても誰も分からず、自分が取り組むことになりました。結論としては、プログラムのバグが原因でメモリリークが発生していたことが原因だったのですが、課題解決し大幅な速度改善ができて周りからとても喜ばれました。その際の調査は一筋縄ではいかず、Javaのヒープダンプの中身まで追う必要がありました。自分にとって未知の分野に取り組めたので、それは自分の自信にもなりましたし、挑戦する面白さを実感できたと思います」
その後、次なる挑戦の場を求め、3社目となる会社ではイベントサイト作成・管理アプリの開発業務やサイト保守を担当。
そして、2017年サイバードに入社しました。
大岡 「私はもともとゲームが大好きで、単純にゲーム業界の裏側には興味がありました。また、ゲーム業界はお客様との距離が近いので直にお客様の意見を受け取れるのも魅力ですし、アクセスが多いサービスでサーバ負荷をどのように捌いているのかにも興味がありましたね」
そういった業界への興味もありつつ、大岡がサイバードに入社した決め手は、「環境」にありました。
大岡 「サイバードは、人間関係を大切にしていて、とても働きやすい環境が整っていると感じました。働くうえで人間関係が一番大事ですからね。みんなが楽しく働いているという感じが伝わってきましたし、一員になりたいなと思ったのが入社の決め手です」
入社後すぐ担当したのは、翌年のリリースを控えていたイケメンシリーズの新規タイトルプロジェクトでした。
大岡 「リリース前から関わらせていただけたので、リリースされたときは大きな達成感を感じられましたね。ゲーム好きとしては、リリース後にお客様からコメントをいただけたのもうれしかったです。サービス的にも高負荷を耐えられる仕組みがちゃんと考慮されて作られており、それに耐えられるか負荷試験も行っていまして、そういったところはとても勉強になりました。」
サイバードの3つの魅力と今感じるやりがい
大岡は入社してからサイバードの魅力を3つ、再認識したといいます。1つ目は、「挑戦する姿勢」です。
大岡 「サイバード全体に浸透している姿勢が『挑戦』です。『CYBIRD SPIRIT』と呼ばれる企業理念の中でも、『自分たちの可能性を信じ、変化を恐れず進む』と、掲げられています。平日でも業務に支障がなければセミナーに参加できますし、休日のセミナー参加も許容されています。挑戦できる風土があり、スキルを磨きたい向上意欲のある人はにとっては、働きやすい環境ですね」
2つ目は、「勉強できる環境」です。年齢やキャリア等に関係なく学ぶ姿勢、そして学びを推奨する環境があります。
大岡 「サイバードでは、技術部門と品質管理部門が中心となり、社内のナレッジを記事としてまとめる『DocBase』を使っています。エンジニアが勉強したことや、イベントレポートを記事化して、チームや部内で共有しています。誰でも自由に使えますし、社内の公開限定ですので、アウトプットする場所として気軽に使えていいですね。
また、記事だけだと分かりづらかったりするので、発表に興味がある人を誘って勉強会を開催して、記事を解説したりとか、補足を入れたりする勉強会の取り組みもしています。各自が自主的に勉強したり発信したりして、成長していく社風が根付いていると感じます」
3つ目は、「相談のしやすさ」です。遠慮せず、なんでも気軽に相談できる雰囲気があると言います。
大岡 「入社当時上長だった方は、自分がサイバードで一番尊敬している方なのですが、今現在はチームとしては違うのですけど、ミーティングなどでご一緒する事も多いし、困ったことがあったら顔を出してくださるような方で。メンバーも優しい人ばかりです」
また、自身がそういった環境の良さを感じているからこそ、後輩たちも同じように感じていけるように、相談される側に立つときには、どんなに忙しいときでも相手の話をしっかり聞くように心掛けています。そんな恵まれた環境の中での大岡の仕事のやりがいは、Planterから生まれています。
大岡 「Planterの利用者から、“使い始めて負担が減った” “エラーがすぐ発見できるようになった”」と言われると素直に嬉しいですね。イケメンシリーズのタイトルも、2年前までは3タイトルしか使っていなかったんですが、昨年から利用タイトルが増えて、現在では9タイトルを管理しています。仕事の幅が広がりましたし、プロジェクトメンバーも増えたのでありがたいです」
しかし、タイトルチームも通常業務を行いながらPlanter移行することになるため、気軽に移行できるわけではありません。これまでやり慣れてきた方法から変えることへの心理的ハードルもある中、大岡はPlanterのメリットを知ってもらおうと資料を作ったり説明会を実施したりしています。
大岡 「ゲームタイトルはいわば『花形プロジェクト』ですが、横断チームは、それを陰で支える裏方です。サイバードには、裏方でもちゃんと評価してくれる風土があります。自分に合った働き方ができて、エンジニアの得意分野を伸ばしていけるよう支えてくれる会社ですね」
積極性のある人と共に、未知の領域に挑戦し続けたい
様々な経験を経てきた大岡には、今後新たに挑戦してみたいことがあります。まず一つは、横断チームとしてPlanterを進化させていくことです。
大岡 「Planterに、マスタデータのレビュー機能を追加してチェックし合える機能や、現在のバリデーション機能を進化させてマスタデータの妥当性を定期的にチェックするCIの仕組みを導入してみたいですね。機械学習を活用する方法も検討しています」
そしてもう一つは、個人の挑戦として、これまで未経験の領域にも参画していきたいと考えています。最近では新規案件に自ら手を挙げました。
大岡 「未知の領域は、わからないからこそ挑戦し甲斐があります。当時、業務もそれなりに忙しかったんですが、掛け持ちでいいということだったので思い切って手を挙げました」
大岡は、分からないものだからこそ魅力的。「未知」という言葉にやる気を刺激される、と語ります。
大岡 「わからないことは、それが分かって行く過程やそれ自体が楽しいです。それを取り入れた自分はもっと成長できているとも思います。不安もありますが、挑戦してみると案ずるより産むが易しで、やってよかったなと思えます。その積み重ねが今の自分の自信にもつながっています」
そんな、常に未知の領域への挑戦を心に抱いている大岡が、サイバードで一緒に働きたいと思う社員は、どのような人なのでしょうか。
大岡 「横断チーム目線では、自分自身で課題や問題点を考えて、それが解決するよう動ける人にジョインしてもらいたいですね。あとは、向上心のある人ですね。課題や問題点を考え続けることがとても大事だと思っています」
大岡 「それから、自発性も大事です。例えば、ほかのタイトルに積極的に貢献していくという姿勢ですね。自分の担当じゃないから自分の仕事じゃない、という考え方だと、自分で自分にキャップをはめてしまい、成長の幅も広がりにくいかなと。何か気になることをみつけたら、担当じゃなくても率先して対応したり、もっとこうしたらいい機能になるんじゃないかと意見をくれたりするような人と一緒に仕事したいですね。そして新しいことに一緒に挑戦していきたいです」
人気タイトルを陰から支えつづけ、常にブラッシュアップを怠らない大岡。これからも積極性を原動力に、人を巻き込んで大きなうねりを生み続けます。