「〇〇だからできない」なんてことはない。恋愛ゲームを支える陰の立役者

ゲームプロデューサー

イケメンシリーズのプロデューサーである清水 亮は、2014年にサイバードに入社して以来、恋愛ゲームの運営に携わっています。そんな清水のモットーは、「男性だからできない、適性がないからできない」といった思い込みに囚われないこと。強みを活かしてチームを支える清水の想いに迫ります。

沈着冷静なマクロの視点で、恋愛ゲームをプロデュース

▲毎年欠かさず見に行っている初日の出

株式会社サイバード(以下、サイバード)の代表作といえば、「イケメンシリーズ」。

清水亮はその中でも人気の高いタイトルの運営プロデューサーであり、プロジェクトの統括責任者です。

清水 「予算の調整や、コンテンツの総合責任者をしています。いわば、ヒト・モノ・カネを管理する立場ですね。どの時間に配信すると効果的なのか、年間どれくらい配信すればいいのか、などの最終的なジャッジも行っています」

自分の仕事は「マクロで物事をとらえること」だと語る清水は、コンテンツの詳細については、各職種の専門性を尊重し、メンバーに任せるというスタンスを取っています。

清水 「キャラクターやストーリーの魅力について、まったく分からないわけではないのですが、男性としての僕の目線では弱いところがあるんです。“キュン”とする部分についてはメンバーに任せた上で、 自分の得意分野である、数字を活かすようにしています」

データを分析して方針を立てたり、これまでの事例を参考に配信スケジュールを考えたり。メンバーとは異なる方向で力を発揮していく清水。

冷静な視点を持っているからこそ、メンバーをサポートできると話します。

清水 「主観的な視点でストーリーの良し悪しを捉えることはできませんが、『このキャラクターはこんなことは言わないんじゃないか』といったお客様の意見を参考にすることはできます。

熱い想いをもって制作をしている中、お客様からの意見をもらうと、正面から受け止めづらいメンバーもいます。僕が噛み砕いて負の感情を与えないように『こうした方がいいんじゃないか』と伝えることで、バランスを取っているんです」

男性だから、女性向けゲームの開発や運営ができないなんてことはない。

そう断言する清水は、自身の強みを生かした上で、メンバーとともに世の中に作品を送り出しています。

実務未経験からのスタート「やる気だけはあります!」

▲趣味の一つであるシュノーケリング

2014年にサイバードに入社して以来、7年以上女性向け恋愛ゲームに携わっている清水。

もともとはパソコンに触れることが好きな少年だったと言います。

清水 「HTMLやCSSを勉強して、趣味程度ではありますがホームページを作っていました。ただ、高校卒業後は大手スーパーマーケットに就職したので、ITとは縁遠い世界だったんです。3年半ぐらい働いた後、やはりITの仕事がしたいと思い、転職を決めました」

Webスクールに通って1年間勉強をしたのち、転職活動をはじめた清水。

リーマンショックの時期と重なり、苦労が続く中、業務委託としてサイバードで働くことになります。

清水 「実務経験がなかったので、唯一気持ちだけは負けずに行こうと思いました。やる気だけはあります、と面接でアピールした結果、今でも一緒に働いている上長の寺門さんが心に留めてくださったんです」

当時はGREEやモバゲーが主流だった時代。App StoreやGoogle Playにも展開していくことが会社の方針として打ち出され、プラットフォーム展開にあたって清水が全面的に関わりました。

清水 「管理の仕事として、テストを行うときのスケジュール管理やメンバーへの指示を担当していました。一部分ではありますが、業績が大きく伸びるところに貢献することができ、そのまま社員として働くことになりました」

恋愛シミュレーションゲームの新規開発・運営プランナーを担当することになった清水。

恋愛ゲームへの配属には、抵抗がなかったと言います。

清水 「関わるコンテンツに強い希望があるタイプではなかったので 、前向きに自分が出来ることを探しました。メンバー全員のスケジュール管理のところは、これまでプラットフォーム展開で培ってきた業務経験が活きる部分でしたし、全員でつくりあげていく感覚を得られたので、とても楽しいポジションでしたね」

めきめきと頭角を現した清水は、プランナーからディレクター、そしてプロデューサーへと順調に成長していきます。

プロデューサーは向いていない。苦手に直面したときに開花した強み

▲とにかく海が好きな清水、毎年南伊豆のキレイな海に癒やされています

ゲーム制作のディレクターは現場のまとめ役なのに対し、プロデューサーは制作を統括する責任者です。プロデューサーを任されることになった当初、清水は自分には不向きだと考えていました。

清水 「先輩たちの背中を見る中で、プロデューサーには、自分のビジョンを持ち、メンバーに発信する強さやカリスマ性が必要だと感じていたんです。自分で語れる夢があるわけではない、 僕には向いていない、と思ったんです」

自分の弱みに直面した清水は、そこで足を止めることなく、強みを活かすことでどう弱みを補てんしていくかを考えていきます。

清水 「全体管理はずっと経験してきていたので、予算調達や数的分析であれば自分の力を発揮できるのではと思い、まずはそこに注力をすることにしました。またこれまでに培ってきたコミュニケーション能力を活かそうと考えました。

メンバーとじっくり話し合って、SNSやゲーム内アンケートを通してお客様の気持ちを汲んで、情報収集をしていきながら、自分の夢ではなく、みんなの夢を実現するためにはどんな手を打つべきかを考えていったんです」

自分にとって「できない」と感じたことでも、発想を変えれば取り組むことができる。

そうして清水は新たなプロデューサー像をつくっていきます。

清水 「自分のやってきたこと、できることを信じて周囲に動いてもらい、メンバーやお客様の夢が実現するよう後押しする。そうやって自分だけでは不可能だったことを成し遂げていきました」

そんな清水のモチベーションになるのは、周囲の人の喜び。

メンバーやお客様が盛り上がっている瞬間に、達成感が得られると言います。

清水 「業務の中には制約がありますが、そうした中でどうすればメンバーやお客様の夢を叶えられるかを考えています。自分自身に対しては欲がないタイプなので、誰かの役に立って、喜んでもらえる瞬間が一番嬉しいんです。ですから今後も、周囲の声にできる限り耳を傾けていきたいですね」

サイバードに恩返しがしたい──成長意欲の根源にある想い

▲自身の強みを活かし進み続けるプロデューサー清水 亮

周囲とのコミュニケーションを大切にする清水が、チームビルディングの中で心がけているのは、自分の本心を隠さずに言うことです。

清水 「自分の弱みでも悩みでも、本心をさらすことで、メンバーも話しやすくなると思い、昔から続けているんです。ディスカッションの場でも、『実はこう思っているんだけど……』と伝えることで、メンバーからより良い意見が上がってくることがあります。みんなが言いにくいときこそ、自分から本心を打ち明けるよう、日頃から意識していますね。

また、僕個人としては夢と数字のバランスを大切にしていきたいです。どれほど、やりたいことや夢を語っても、それを実現するには、売上や利益は欠かせませんからね」

今後のキャリアについて、清水はメンバーの心を動かす、よりリーダーシップを発揮するプロデューサーになっていきたいと言います。

清水 「最初の上長であった寺門さんは、メンバーの想いに寄り添う人でした。私の入社面接でも、すごく気持ちを買ってくれた恩人でもあります。

今の上長の勝俣さんは、非常に論理的な思考の人です。TPOに合わせたコミュニケーションのとり方、言葉の使い方や伝え方などと、論理的に説明してくれるのでとても参考になりますし、気づきを与えてくれますね。これまでの上長の魅力や良い点をしっかり吸収し、もっと頼れる存在になっていきたいです」

入社以来、ブレることなく成長を続けてきた清水の根底にあるのは「恩返し」なのだと話します。

清水 「男性でありながら、なぜ恋愛ゲームに携わり続けているのか?と思われるかもしれません。ただ、スキルもなかった自分にたくさんの経験をさせてくれ、ここまで成長させてくれたのはサイバードであり、「イケメンシリーズ」なんです。

今でも世界観づくり等、コンテンツ作りの専門的な部分が得意なわけではないのですが、メンバーに支えられたおかげで、ここまでやってこれました。とても感謝していますし、だからこそもっと貢献していきたいです」

性別や適性に囚われることなく、自分の強みを信じて、価値を発揮してきた清水。

今後もメンバーの夢を叶えるために、お客様の理想を描くために、奮闘し続けるでしょう。

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